福岡市・東部の副都心の“ふれあいと交流の「まちの軸」づくり”の中核として整備された複合施設「なみきスクエア」

福岡市・東部の副都心に位置づけられ、東部の交通拠点と新たな都市機能の導入が進められてきた香椎・千早地区。同エリアの中央にある「なみきスクエア」は、副都心形成における“ふれあいと交流の「まちの軸」づくり”の中核として整備された複合施設である。今回は、岩下センター長に施設の特徴的な機能や活動、地域との関わりについて伺った。

「なみきスクエア」の外観
「なみきスクエア」の外観

地域の皆さまの“あらゆる活動”に応える

――「なみきスクエア」の概要について教えてください。

岩下 センター長:当施設は「福岡市香椎副都心計画」という福岡市・東部の街づくり計画のメイン事業として整備され、2016(平成28)年6月に開館しました。2階建ての建物内には「東市民センター」をはじめ、「千早音楽・演劇練習場」や「東図書館」、証明サービスコーナーなど複数の機能をもつ複合施設です。

音楽・演劇・舞踊などの練習ができる「千早音楽・演劇練習場」
音楽・演劇・舞踊などの練習ができる「千早音楽・演劇練習場」

中でも、「東市民センター」には大小3つの会議室をはじめ、音響効果に優れた「なみきホール」、絵画・木工など創作活動に勤しめる実習室、料理教室や試作などに利用いただける調理室、華道・茶道などに活用いただける和室、映像を使用した研修・会議などもできる視聴覚室などを備えております。サークル活動や芸術発表会など、地域の皆さまのさまざまな活動にお応えできる複合施設というわけです。

最大800席の「なみきホール」
最大800席の「なみきホール」

――施設に対する地域の皆さまの反応はいかがですか。

岩下 センター長:当施設は香椎・千早地区の中央に位置していて周囲からの立地がよく、隣接する「並木広場」から施設内の通路までがまるでひとつの道のように設計されているのもあり、立ち寄りやすい環境にあります。「並木広場」で小さなお子さま連れの家族が遊ばれていたり、一方で施設内のフリースペースではご高齢の夫婦がくつろがれていたり、皆さまがここに集い、思い思いに過ごされています。コロナ前の来館者数は年間80万人を記録しておりました。構想時の予想を上回る数値で、このことからも“地域の交流の場”として地域の皆さまにご活用いただけているのかなと感じております。

市内の分館では利用者が一番多い「東図書館」
市内の分館では利用者が一番多い「東図書館」

――こちらフリースペースも充実しているとのことですが。

岩下 センター長:館内の通路に設置しています椅子は自由にご利用いただけますし、1階の「ひまわりひろば」、2階の「なでしこルーム」はどちらもフリースペースとして開放しております。「ひまわりひろば」は“市民の多目的広場”という位置づけです。普段は誰でも自由に座れるスペースとして設けていて、「ひまわりひろば」では乳幼児健診やがん検診、市民ギャラリー、ロビーコンサートなどが開催されることもあります。

自由に使える「なでしこルーム」
自由に使える「なでしこルーム」

一方で、「なでしこルーム」にはテーブルも置いていて、おしゃべりしたり、打ち合わせしたりとまさに“何にでもご利用ください”というスペースです。最近「なでしこルーム」は自習スペースとして活用される方が多くいらっしゃいます。それこそ、試験期間の土日になると朝から行列ができて、整理券を配らないといけないほどの人気です。当施設としてはとくにフリースペースの利用目的を限定しているわけではありませんので、周りの皆さまにご配慮いただきながら、気軽にご活用いただければ幸いです。

サークル活動もできる会議室
サークル活動もできる会議室

「予約が取れない」というほど応募が殺到

――会議室や実習室はどのような方が利用されますか。

岩下 センター長:身近なところでは地域のサークル活動です。語学やお料理、お茶、ボードゲーム、脳トレなどさまざまなサークルの方にご活用いただいています。また、企業の会議やセミナー、研修のように数十名で会議室をご利用いただくこともあります。

料理教室などに利用できる「第2実習室」
料理教室などに利用できる「第2実習室」

基本的に各室の用途から大きく外れておらず、人数が適切でさえあれば、どなたにも貸出させていただきます。何かの折に利用されたいときは、気軽に窓口までお声がけください。ただ、予約スケジュールは公平を期して“抽選”で決めております。地域の皆さまに当施設を周知いただけたからか、最近では応募が殺到していまして、皆さまから「なかなか予約が取れない……」とお声が上がるほどです。必ずしもご希望の日程、お部屋が空いているとは言えませんことをご理解いただければと思います。

華道・茶道などの活動や会議・研修会に利用できる「第2和室」
華道・茶道などの活動や会議・研修会に利用できる「第2和室」

――施設側で企画されているイベントもありますか。

岩下 センター長:当施設としても、いろいろなイベントを催しています。例えば、昨年は落語会を開催しました。林家木久扇・木久蔵親子を招いたものです。有料ながら大変好評でしたので、今年も計画しております。また、毎年開催しているものでは避難訓練コンサートがあります。福岡市消防音楽隊の方にご協力いただき、素敵な演奏を楽しみつつ避難訓練も体験できる、という面白いイベントです。今後も、このように音楽や演劇などその道のプロの方を招いたり、地域のコミュニティとも協力したりしながら、地域の皆さまが文化・芸術や、暮らしに役立つ知識などに触れられるイベントを企画していきます。詳しいイベント情報は館内の掲示物、公式サイトのイベント情報ページ(https://www.namiki-sq.jp/event/)に掲載していますのでご確認ください。

「なみきスクエア」公式サイト イベント情報ページ ※画像提供:「なみきスクエア」
「なみきスクエア」公式サイト イベント情報ページ ※画像提供:「なみきスクエア」

地域の魅力を再発見できる情報紙を発行

――情報紙「東ZINE」も発行されているとか。

岩下 センター長:なみきスクエア情報紙「東ZINE(ひがしじん)」は昨年9月に創刊しました。“「なみきスクエア」と地域の皆さまが双方向で交流するための情報紙”という位置づけで年に4回発行していまして、毎号、区ごとに特色ある施設、地域で何かに取り組まれている人などをピックアップしています。例えば、千早校区のときは、新しくできた複合商業施設「ガーデンズ千早」を取り上げました。製作スタッフが取材することもあれば、「みらい探偵団」の子ども記者が活躍することもあります。その区に住みながら、意外と地域のことを知らないことが多いので、新しい発見をしてもらえればいいなと。紙媒体でも、公式サイト(※)にも掲載していますのでぜひ一度手に取ってみてください。 ※情報紙「東ZINE(ひがしじん)」: https://www.namiki-sq.jp/zine/

なみきスクエア情報紙「東ZINE」 ※画像提供:「なみきスクエア」
なみきスクエア情報紙「東ZINE」 ※画像提供:「なみきスクエア」

――千早エリアの魅力はどのような点ですか。

岩下 センター長:千早エリアにはJR・西鉄「千早」駅が隣同士にあり、すぐ側には都市高速「香椎浜」入口もあって交通の利便性がとてもいい地域です。また、マンションや商業施設など土地開発も盛んで、最近では小さなお子さま連れの家族がとても増えました。当施設にもキッズルームや授乳室、フリースペース、隣接して「並木広場」があるので、そうした家族連れの皆さまもよくお見かけします。ちなみに、当施設ではママカフェ、パパスクール、遊びと学びのコミュニティスクールなどママ・パパの情報交換の場や、アートスクールなども企画しています。当施設を含め、地域全体で子育て世代に優しい街づくりを進めている住みやすい街です。千早に、そして「なみきスクエア」にぜひ気軽にお立ち寄りください。それこそ、ちょっと涼みにいらっしゃるだけでも歓迎いたします。

広々として過ごしやすい館内
広々として過ごしやすい館内

なみきスクエア

センター長 岩下 純子 さん
所在地:福岡市東区千早4丁目21番45号
電話番号:092-674-3981
URL:https://www.namiki-sq.jp/
※この情報は2022(令和4)年7月時点のものです。

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